AI-OCRには大きく分けて以下の3つの種類にがあります。
・位置(座標)指定型 AI-OCR
・キーワード(項目)指定型 AI-OCR
・特化型 AI-OCR
本記事では、各AI-OCRの特徴を解説し、それぞれどんな業務や帳票と相性が良いのかを紹介致します。
自社にとって最適なAI-OCRを選ぶための指針となれば幸いです。
位置指定型 AI-OCR

位置指定型AI-OCRは、書類上の特定の位置(X座標、Y座標)を指定して、その場所にある文字を認識するタイプのAI-OCRです。事前に読み取りたい情報がある位置を登録しておくことで、同じフォーマットの書類を効率的に処理できます。
メリット
定型フォーマットの書類処理に最適
高い精度で情報を抽出できる
大量の同一フォーマット書類の処理に向いている
デメリット
フォーマットの変更に弱い
書類の傾きに弱い場合がある
位置ずれが発生すると対応できない場合が多い
向いている業務
・請求書や納品書など定型フォーマットの処理
・申込書や契約書など決まった様式の書類処理
・定期的に発生する同一フォーマットの書類処理業務
キーワード指定型 AI-OCR

キーワード指定型AI-OCRは、特定のキーワードや項目名を基準に、その周辺にある情報を抽出するタイプのAI-OCRです。「氏名:」「住所:」などのラベルを認識し、その後に続く情報を取得します。
メリット
フォーマットの変更に強い
書類の位置ずれに強い
様々な書類タイプに1つの設定で柔軟に対応できる場合がある
デメリット
キーワードが明確でない書類には不向き
同じキーワードが複数ある場合に混乱する可能性がある
向いている業務
・項目数の増減などにより、レイアウトが可変する書類処理
・レイアウトが微妙に異なる書類の処理
・取引先ごとに様式が異なる請求書や見積書の処理
特化型 AI-OCR

メリット
特定の書類に対して非常に高い認識精度
業界特有の用語や表記に対応
専門的な知識を組み込んだ処理が可能
特定業務に関しては導入・運用が容易
デメリット
用途が限定される
汎用性に欠ける
他の種類の書類処理には不向き
向いている業務
・レシートや領収書の経費精算処理
・名刺情報のデジタル化
・特定フォーマットの申請書類処理
自社に最適なAI-OCRの選び方
AI-OCRを選定する際には、基本タイプ(位置指定型、キーワード指定型、特化型)から自社に最適なものを選ぶための重要ポイントを解説します。
書類のレイアウトと項目名の揺らぎの安定性で選ぶ
AI-OCR選びで最も重要なのは、処理する書類のレイアウト(罫線、枠、情報の配置)とキーワード(項目名、見出し)がどれだけ安定しているかという点です。それぞれのAI-OCRのタイプに得意とする帳票、苦手とする帳票があり、処理を行う帳票のレイアウトや項目名の変動を考慮した選択が必要です。
・位置指定型 AI-OCRが向いている帳票
・毎回同じフォーマットの書類を処理する(標準化された請求書など)
・社内の定型申請書や統一された請求書を扱う
・情報が常に決まった位置にある書類が多い
・罫線のかすれ・傾きや歪みが少ない帳票
・キーワード指定型AI-OCRが向いている帳票
・取引先ごとに異なる形式の請求書を処理する
・明細項目の増減により、表の形式の明細の位置が下にずれたりする
・記載の位置は変わるが、項目名(「金額」「日付」など)は共通している
・特化型AI-OCRが向いている帳票
・レシート、名刺、診断書など特定種類の書類だけを集中的に処理する
・業界特有の専門書類を多く扱う
・特殊な記号や表記を含む専門書類
具体的な判断方法: 実際に処理する書類をサンプリングし、フォーマットが統一されているか、あるいは多様かを確認しましょう。「同一フォーマットが大半を占めるなら位置指定型、処理する書類のレイアウトが可変するならキーワード指定型が適しています。特定種類の書類に特化するなら特化型」という基準で選びましょう。
まとめ
AI-OCRを選ぶ際、最も重要なのは「書類の特性とそれぞれのAI-OCR種類の強み・弱みを把握すること」です。この点を正しく評価することで、最適なAI-OCRを選ぶことができます。
フォーマット枠の位置が固定されている書類が多い → 位置指定型AI-OCR
帳票レイアウトが可変する書類がある → キーワード指定型AI-OCR
特定種類の専門書類に集中している → 特化型AI-OCR
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